ハワイ大学マノア校で3月12日~14日に開催された 1st International Conference on Language Documentation and Conservationで、日本における言語記述・ドキュメンテーション研究を取り巻く環境に関する報告と、研究活性化のための(特に若手を対象とした)研究者コミュニティー作りの取り組みとしてFieldlingの活動について報告してきました。6人でスペシャルセッションをくみ、Fieldling設立を動機づける現状、Fieldlingの理念と枠組み、具体的活動の諸側面に渡って発表しました。

私が話したのは、言語記述・ドキュメンテーション研究を取り巻く環境の問題点とそれへの対応策としてのFieldlingの活動の理念に関する部分です。プレゼンの資料と録音は以下からダウンロードできます: http://scholarspace.manoa.hawaii.edu/handle/10125/5137 【発表の要旨】 日本の言語記述・ドキュメンテーション研究は深刻な問題を抱えている。一方で、研究者養成、研究支援体制が非常に心許なく、そのままではこの先研究活動の発展はおろか継続も危ぶまれる。また、研究の成果の活用という面でも問題が多く(データの再利用が難しいなど)、研究活動が大きな波及効果をもたらすことが期待しにくくなっている。日本の言語記述・ドキュメンテーション研究が抱えるこうした構造的な問題を改善するためのイニシアチブとしてFieldlingが立ち上げられた。Fieldlingは、主として言語記述・ドキュメンテーション研究に関わる若手研究者を対象として、研究交流や共同研究を展開する場を提供し、研究者コミュニティーを育成することを通して、研究の活性化と研究成果資源化の促進を進めることを目的として活動している。